Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型コラーゲンとは?型が違うと意味無しって本当?
コラーゲンには、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型などの型があります。
基本はⅠ型、関節はⅡ型、赤ちゃんに多いのがⅢ型、
というような広告や説明を雑誌などでもよく見かけるようになり、違いが気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで、この違いについてしっかりとご説明していきます!
Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型コラーゲンとは?
コラーゲンは、お肌、関節、骨など体内のあらゆる部分に存在しています。
そして、各部分での役割によって、多く存在するコラーゲンの種類が違います。
その種類は、20種類以上にもなります。
この中で特に重要なⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型コラーゲンの違いは以下になります。
Ⅰ型軟骨以外の部分の主成分。3重らせん構造の強度と弾力性で、形をつくり細胞を支える役割があります。
皮膚の90%は1型コラーゲンでできています。
Ⅱ型関節の軟骨の主成分。水分やプロテオグリカン、グルコサミンなどを保持して潤滑性を生み出し関節をしっかりと保持する役割があります。
Ⅲ型Ⅰ型コラーゲンよりも繊細なコラーゲン。1型と共存して、細胞のゆりかごのような役割のような役割があります。
赤ちゃんに多く成人になると減少します。
Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型コラーゲンペプチドの違い
上記は、体内にあるコラーゲンの話でしたが、サプリなどに含まれるコラーゲンペプチドにも違いが有るんでしょうか?
体内のコラーゲンや、動物や魚のコラーゲンの原料は、3重らせん構造の大きな分子です。
これに対してコラーゲンペプチドは、予め酵素などで、小さな分子に分解されたものです。
Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型のコラーゲンはアミノ酸の構成には大きな違いがないため、このように小さな分子に分解されてしまうと、どれも同じようになってしまいます。
コラーゲンペプチドは、原料がⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型のどれであっても大差ないのです。
コラーゲンペプチドは全ての型になる
原料が豚皮の場合、Ⅰ型コラーゲンが85%、Ⅲ型コラーゲンが15%含まれています。
コラーゲンペプチドを摂取すると、体内でアミノ酸に分解され、その後、たんぱく質やコラーゲンとして再合成されます。
なので、原料がⅠ型のコラーゲンペプチドを飲んでも、体内でⅡ型やⅢ型のコラーゲンを作ることができます。
Ⅱ型コラーゲンをとらないとⅡ型コラーゲンを作れないわけではないのです。
コラーゲンペプチドは、細胞に命令を与えてコラーゲンの合成を促進する働きがあります。
この命令によって、お肌ではⅠ型やⅢ型が、軟骨ではⅡ型が合成されるのです。
Ⅲ型コラーゲンの摂取はあまり意味がない
Ⅲ型コラーゲンはベビーコラーゲンとも言われ、Ⅲ型コラーゲンを摂ることで赤ちゃん肌に!という宣伝もされています。
但し、今とのところ、Ⅲ型コラーゲンあるは、Ⅲ型コラーゲンを原料にしたコラーゲンペプチドを摂取することで、特別な違いが認められたというデーターは乏しいようです。
通常のコラーゲンペプチドを摂取していれば、体内でⅢ型も作られますので問題ないと考えられます。
非変性Ⅱ型コラーゲン摂取には意味がある
Ⅱ型コラーゲンの場合は、少し話が違ってきます。
コラーゲンには変性コラーゲンと非変性コラーゲンがあります。
非変性コラーゲンとは、3重らせん構造が壊れていない生のコラーゲンのことです。
コラーゲンペプチドは生コラーゲンを熱で変性させて3重らせん構造をほどいて、ゼラチンにして、更にそれを酵素で細かくすることで作られます。
非変性コラーゲンは、熱や酵素を加えずに、なるべく生のまま取り出したコラーゲンです。
非変性Ⅱ型コラーゲンの場合は、コラーゲンペプチドとは別の作用によって関節の痛みを抑える働きがあると言われています。
非変性Ⅱ型コラーゲンの働き
関節痛にはいろいろな原因がありますが、そのなかには、自己免疫システムが自分の関節を攻撃して、炎症を起こすことで痛みに繋がるものがあります。
非変性Ⅱ型コラーゲンは、この免疫システムの異常を抑える働きがあることが判っています。
非変性Ⅱ型コラーゲンには、自己免疫システムの攻撃の標的となる抗原を含みます。
自己免疫システムは、口から食べたものには寛容になる性質があります。
アレルギーのもとになるアレルゲンを摂ることで慣れさせる、逆療法のようなものです。
”そんなに悪い物じゃないんだよ”と腸から信号が関節に伝わって、自己免疫システムの攻撃が和らぐわけです。
【コラーゲンペプチドと非変性Ⅱ型コラーゲンの違い】
コラーゲンペプチド | 非変性Ⅱ型コラーゲン | |
形状 | 小さな分子 | 3重らせん構造の大きな分子 |
有効成分 | PO,OGペプチド | 抗原部分 |
作用する部位 | 軟骨の細胞 | 腸の免疫機構 |
働き | 細胞に命令を与えて活性化 | 免疫反応を抑制 |
Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型コラーゲンの違いまとめ
以上をまとめると下記のとおりになります。
普通は、コラーゲンの型にこだわる必要はない
非変性Ⅱ型コラーゲンには特別な働きがある
特別な関節の痛み以外は、普通のコラーゲンペプチドを摂れば良さそうです。