海洋性コラーゲンと動物性コラーゲンの違いとは?
海洋性コラーゲンはマリンコラーゲンやフィッシュコラーゲンとも言われる魚の皮やウロコを原料とするコラーゲンペプチドです。
この記事では、豚や牛などを原料とする動物性コラーゲンとの違いについてご説明します。
各種原料による違いについてはこちらの記事もご覧ください。
コラーゲン原料(豚・牛・魚・フカヒレ・すっぽん)の特徴と違いは?
海洋性コラーゲンの特徴
海洋性コラーゲンは、分子量が小さいために吸収が良いとされます。
【コラーゲンの分子量】
・動物性:約30万
・海洋性:約10万
・ゼラチン:数万~10万
・コラーゲンペプチド:100~3000
食品からコラーゲンをとる場合は、海洋性のものの方が消化・吸収がよくなります。
動物性コラーゲンとの比較
海洋性コラーゲンと動物性コラーゲンのアミノ酸組成が下表です。
このなかで注目スべきなのは、一番上のヒドロキシプロリンというアミノ酸です。
動物性コラーゲンである豚や牛の方が2倍近く多くなっています。
サケ | 豚 | 牛 | |
ヒドロキシプロリン | 54.3 | 93.6 | 95.1 |
アスパラギン酸 | 53.5 | 42.1 | 43.0 |
スレオニン | 23.3 | 16.1 | 16.1 |
セリン | 49.2 | 32.3 | 32.1 |
グルタミン酸 | 75.3 | 72.2 | 72.8 |
プロリン | 103.8 | 131.2 | 125.6 |
グリシン | 361.2 | 336.3 | 331.1 |
アラニン | 108.4 | 118.7 | 122.2 |
シスチン | 2.3 | 0.0 | |
バリン | 15.6 | 21.0 | 19.7 |
メチオニン | 18.3 | 5.6 | 5.6 |
イソロイシン | 10.6 | 8.9 | 10.9 |
ロイシン | 20.3 | 22.7 | 24.0 |
チロリン | 0.0 | 2.0 | 3.7 |
フェニルアラニン | 12.7 | 11.7 | 12.6 |
ヒドロキシリジン | 4.3 | 7.0 | 7.4 |
リジン | 26.1 | 26.1 | 25.5 |
ヒスチジン | 9.1 | 4.0 | 4.0 |
アルギニン | 51.7 | 48.5 | 48.7 |
ヒドロキシプロリンの機能性に注目
コラーゲンペプチドは、体内に取り込まれた後、コラーゲンの合成を促進するシグナルを細胞伝えると言われています。
これがコラーゲンペプチドの注目されている機能性です。
この機能性をつかさどるのは、ヒドロキシプロリンです。
ヒドロキシプロリンはコラーゲン特有のアミノ酸です。
P-O(プロリンーヒドロキシプロリン)と、O-G(ヒドロキシプロリンーグリシン)というアミノ酸の繋がったものが機能性を発揮すると言われています。
動物性コラーゲンにはヒドロキシプロリンが多く含まれますので、これを原料にして作ったコラーゲンペプチドには、P-OとO-Gが多く含まれています。
従って、ヒドロキシプロリンを多く含む動物性コラーゲン由来のコラーゲンペプチドの方が、海洋性のそれよりも、機能性が高くなります。
コラーゲンは原料よりも加工技術が大事
コラーゲンを含む原料をコラーゲンペプチドに加工する際には、酸やアルカリでの抽出と、低分子化するための酵素分解が行われます。
原料の違いよりもこの加工技術の方が重要で、優れた加工技術で加工されたコラーゲンペプチドであれば、機能性には大きな違いが無いと言われています。
加工技術が劣る場合は、海洋性コラーゲンの方が吸収性が良い分、機能性を発揮できる場合もあります。
まとめ
海洋性コラーゲンと動物性コラーゲンの機能性をまとめると下記のようになります。
サプリメントに加工していない、コラーゲンの状態で食べた場合は、海洋性コラーゲンの方が機能性が高い。
優れた抽出技術と酵素分解技術で加工されたコラーゲンペプチドは、動物性由来の方が機能性が高い
品質の優れたコラーゲンサプリの場合は、どちらでも大丈夫とはおもいますが、こだわる場合は、動物性コラーゲン由来のものの方が良いかと思います。